合格最低点と得点調整の罠
前回受験関連の記事を書いたらアクセス数が普段の二倍以上あった。
これに味を占めたので今回も受験関連の内容である。
何のひねりも工夫もないタイトルの通り「合格最低点と得点調整の罠」という受験においてなかなか重要なことに触れるので、今回ばかしはおふざけなしの真面目モードで説明したいと思う。
「いや得点調整なんて知ってるよ」って方は僕の二つ前のロクシタンの記事を読んで時間を浪費してほしい。それかコメントで確率漸化式について教えてほしい。
まず得点調整についてだが、例えば文系の選択科目のうち、「世界史の平均点が80点、地理の平均点が50点」であった場合、地理の問題の難易度が高かったことが伺える。
では、選択科目が地理の受験者は世界史の受験者と比べてかなり不利ではないだろうか。
ほとんどの大学はこのような選択科目の難易度によって受験者間で有利不利が発生しないように「得点調整」という作業を行う。(たしか明治大学はしてなかった)
どのような計算式で得点調整がなされるかは大学ごとに違うので、どの程度調節されるかはわからないが基本的には得点が低くなることが多い。
さて、皆さんはもう過去問には手を付け始めているだろうか。
過去問演習に取り組んだのち、自分の得点と合格最低点を照らし合わせる方がほとんどであろう。
ここで気を付けてほしい。
赤本やパスナビに載っているような合格最低点は得点調整後の値である。
「なんで合格最低点に少数が入ってるんだろ」って思った方いません?
これがその答えです。
合格最低点に少数が含まれていたらそれすなわち得点調整されている証です。
なので赤本に載っている合格最低点を超えたからと言って合格できるわけではない。
あくまで個人的な目安だが、合格最低点+20点ほどが合格ラインだと考えている。
さて、話が少し変わるがこの画像を見てもらいたい。
これは東洋大学の2021年度の入試結果である。
一番右の欄は合格最低点を表しているのだが、2月8日の「一般3教科均等配点1回目」のところを見てほしい。
166.4点と書いてある。
いくら得点調整されているとはいえ、3教科でこの点数は低くはないだろうか。
そう、これが2つ目の罠である。
得点調整の中でも、東洋大学は「偏差値換算」というものを取り入れている。
(知っている限りだと日大も偏差値換算を取り入れている。)
ではこの偏差値換算とはどのようなものかというと、例えば「英語の試験の平均点が70点で、自身の得点も70点だった」という場合、偏差値は「50」である。
この英語の試験の偏差値である「50」という値が点数に代わるというものだ。
つまり、各科目の偏差値の値の合計で合否を決めるというのが偏差値換算である。
先の2月8日の「一般3教科均等配点1回目」の合格最低点にもう一度目を移そう。
166.4点である。
つまり、1教科あたりの偏差値が55であったとしても不合格を食らってしまうのが理解いただけると思う。
(ざっくりとした偏差値の値は ⦅得点-平均点⦆÷2 + 50 で求められるので活用してみてほしい。まぁ過去問の平均点載ってないんだけど。)
ひとつ前の記事でも同じようなことを書いたが、日東駒専を絶対になめてはいけない。私自身、東洋大学が偏差値換算であることを知ったのは試験3日前であり、かなり焦った記憶がある。
少し自分語りが入ってしまい申し訳ないが、私は最終的には以前から志望していた大学含め複数の大学に合格することができた。しかし、余裕で合格できたと感じた大学は一校もない。
「GMARCH志望だったが、日東駒専にも受からなかった」という人は周りにザラにいた。
重ねてになるが、絶対に日東駒専だからと言って甘く見てはいけない。
今回は真面目に得点調整と合格最低点の関係について触れたが、なにか皆さんにとって身になるようなものがあれば幸いである。